「売掛金の入金までにまとまった資金が欲しい」と思ったことはありませんか?
支払サイトが長い事業者は売掛金が入金までの間、資金繰りに苦しむ方は多いです。
また急な資金が必要になったけど、金融機関からの融資を受けるまでに時間がかかるなどの悩みを抱えてる方もいると思います。
そんな時に売掛金買取サービスを利用することで、手持ちの売掛金を入金期日前に現金化できます。
売掛金買取はファクタリングと呼ばれており、最近主流になってきている資金調達の手段の一つです。
ただしこの「ファクタリング」は一般的に認知されてないので、「怪しそう」「違法じゃないの?」という印象を持たれがちです。
本記事では売掛金買取の仕組みやメリット・デメリットについて詳しく解説します。
また実際に活用された例や個人・法人に対応できるおすすめのファクタリングサービスについてもご紹介するので、資金調達にお困りの際はぜひ参考にしてみてください。
売掛金買取サービスとは「ファクタリング」のこと|仕組みについて解説!
売掛金買取サービスとは、「ファクタリング」のことを指します。
融資あるいは借り入れのような「金銭消費貸借金」とは異なり、ファクタリングは売掛金などの売掛債権をファクタリング業者へ売却し、手数料を差し引いた代金を受け取って現金化する手法です。
融資や借入では金利の負担が生じますが、ファクタリングは借金ではないため金利はなく、金利の代わりに手数料の負担を伴います。
ファクタリング会社は手数料を儲けとしてサービスを提供します。
ファクタリングの仕組み
ファクタリングには、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。
一般的に売掛金を譲渡するのは資金繰りに困っていると思われるため、取引先に知られたくない場合もあります。
2社間と3社間の大きな違いは取引先にファクタリングの事実が知られるかどうかです。
本章ではより詳しく2社間と3社間についてご紹介していきます。
それぞれの特徴を解説していきますので状況に合わせて参考にしてみてください。
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングとは、利用者とファクタリング業者の2社間で行われるファクタリングです。
平成10年に成立した「債権譲渡登記制度」によって、売掛先に債権譲渡を通知しなくても譲渡可能となったため合法になったファクタリングの仕組みです。
▼2社間ファクタリング利用の流れ
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3社間ファクタリング
3社間ファクタリングとは利用者、売掛先、ファクタリング会社の3社間で行われるファクタリングです。
3社間は従来から利用されてたファクタリングとなっています。
▼3社間ファクタリング利用の流れ
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2種類のファクタリングの特徴まとめ
ファクタリングの特徴を以下の表にまとめたので、参考にしてみてください。
2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング | |
---|---|---|
売掛先への承諾 | 不要 | 必要 |
手数料 | 5〜20% | 1〜10% |
入金スピード | 即日〜3日 | 1週間程度 |
売掛金買取の市場規模
ファクタリングは海外発祥のサービスで、特にアメリカで普及している資金調達手段です。
日本ではアメリカと比べると、まだまだ認知度が低く一般的とは言えない状況でしたが、現在では物流業界、建築業界からWeb業界とさまざまな業種で利用されています。
利用者数が増え市場規模も拡大しており、資金調達として一般的になってきています。
下記の表のように、2013年〜2017年には落ち込んだもののそれ以降は年々増加傾向にあります。
2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
77,255 | 51,072 | 54,184 | 49,466 | 37,284 | 48,384 | 49,446 |
※単位は100万ドル
売掛金買取の3つのメリット
売掛金買取には大きく分けて3つのメリットがあります。
- スピーディな資金調達ができる
- 審査の対象が売掛先のため自社の財務状況が悪くても利用できる
- 借入ではないので担保や保証人が必要ない
スピーディな資金調達ができる
ファクタリングの最大のメリットは、資金調達のスピードが早いことです。
ファクタリング会社によっては最短で1日で振り込みをしてくれることもあります。
例えば金融機関の借入や出資、補助金などの資金調達手段の場合は、現金化までに2週間ほどかかります。
ファクタリングを利用すれば、最短即日、遅くても数日で現金化が可能です。
審査の対象が売掛先のため自社の財務状況が悪くても利用できる
ファクタリングは、自社の財務状況が悪くても利用できます。
自社の財務状況に関係なく利用できるのは、売掛先の企業が審査対象になるためです。
売掛先の信用力さえあれば、債務超過や赤字決算の状態でもファクタリングで資金調達が可能になります。
経営状況が良くない方や開業間もない個人や経営者でも、資金繰り問題を解決できる資金調達手段となっています。
借入ではないので担保や保証人が必要ない
ファクタリングは売掛債権の売買取引のため、借入のように担保や保証人が必要ありません。
売掛債権の譲渡による債権売買なので、貸金業ではないので担保や保証人を入れることが禁止になります。
そのため売掛債権が未回収でも払い戻しを行う必要がありません。
担保や保証人が必要と言われた場合は、悪徳業者の可能性がありますので注意が必要です。
売掛金買取の2つのデメリット
ファクタリングにはデメリットもあります。
ファクタリングを利用する前にデメリットを知っておくことで、ファクタリング利用の失敗を避けられます。
本章では、詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
手数料が発生する
ファクタリングの最大のデメリットは、手数料が高いことです。
未回収のリスクなどを抱えるので、他の資金調達手段より手数料は高く設定されています。
ファクタリングの手数料相場は、10~20%となっています。
いかがファクタリング以外の主な資金調達手段の金利比較となります。
資金調達方法 | 金利 |
---|---|
銀行融資 | 2%〜5% |
政策公庫 | 2%〜3% |
ビジネスローン | 15%〜18% |
手数料によって受け取りたい金額を受け取れない可能性があるので、利用する前にシュミレーションしておくのがおすすめです。
取引先にファクタリングを利用することを知られてもいい場合は、3社間ファクタリングを選択し手数料を抑えることもできます。
簡単に資金調達できるので依存しやすい
ファクタリングは他の資金調達手段と比べ、簡単かつ早く資金調達できてしまうので、サービスに依存しやすいです。
スピーディーに資金調達が可能で審査通過率が90%近くあるので、その便利さを味わってしまうと毎回ファクタリングを利用するようになる方多いです。
ただし入金される予定だった売掛金が少なくなるので、売上が減らすことになります。
そのためあくまで緊急的な処置として、利用がおすすめでしょう。
ファクタリングサービスの中には、利用回数に応じて手数料を下げるものや、資金繰りの改善に向けて無料の財務コンサルティングを行っているサービスも存在します。
そのため売掛金買取を複数回の利用を検討している方は、上記の特徴をもつサービスを利用すると良いでしょう。
売掛金買取の活用事例
ファクタリングは業種問わず幅広く活用されています。
即金性も高いので支払いリサイクルに悩む中小企業で利用が広がっています。
本章ではファクタリングを実際に利用した事例をご紹介するので、売掛金買取のイメージ感を掴んでいただけると幸いです。
- 建築塗装業の活用事例(調達金額:800万円、調達日数:3日)
-
大型案件を受注したのですが、着手金が少ない契約だったことに加え、従業員の賞与を払ったばかりだったので資金に余裕がない状況でした。そんな時に日経新聞の記事で注文書ファクタリングの存在を知り、ビートレーディングさんに問い合わせをしました。親身に相談に乗っていただき、受注したばかりの案件を資金化できたので予定通り着工できました。その後は資金繰りも安定して以前よりも取引が拡大してるので、ファクタリングを利用してよかったです。
利用したサービス:ビートレーディング
- 通販事業の活用事例(調達金額90万円、調達日数:1日)
-
個人事業主として海外の小物、雑貨を販売しているI様。売上のほとんどがクレジットカードによるものであり、急な仕入れや支払いに対応できないという悩みがありました。クレジット債権は従来債権譲渡禁止特約が付されておりましたが、2020年の民法改正によって廃止されたため、自由に譲渡することが可能です。ファクタリングを活用し、財務状況の安定化を図った事例をご紹介いたします。
利用したサービス:アクセルファクター
- 広告代理業の活用事例(調達額:4500万円、調達日数:30日)
-
先行する広告費の支払いができるかどうかの問題があり、資金の状態次第では新規案件を断らざるをえなかった。そのため、積極的な営業活動も行えない状況。ファクタリングによる早期資金化で、前払いの広告費にあてる資金を捻出できるようになり、資金繰りが改善された。手元資金にゆとりが生まれ、新規案件の受注が可能に。積極的に売上拡大を進めていけるようになった。
利用したサービス:マネーフォワードアーリーペイメント
またフリーランスの請求書や注文書を買取も存在します。
フリーランスで売掛金買取に興味ある方は、「個人向け請求書買取」をご参照ください。
売掛金買取のサービスを選ぶ時のポイント
ファクタリングを選ぶ際のポイントは4つあります。
- 手数料が安い
- 償還請求権がない
- 入金スピードが早い
- 取可能額が自社のニーズとあっている
それぞれ特徴を解説していきます。
手数料が安い
ファクタリング会社を選ぶ際に、重要な点は手数料が安いかどうかです。
手数料は債権額だけではなく、2社間なのか3社間なのかでも異なります。
前述にもあるように2社間の方が高く、3社間の方が安く設定されています。
手数料の低い会社を見つけるには、会社の公開情報から手数料の低い会社を絞る必要があるでしょう。
2社間ファクタリングでは「10〜20%」、3社間ファクタリングでは「3%〜8%」が手数料相場となっています。そのため手数料相場よりも高いものは避けるべきでしょう。
償還請求権がない
償還請求権があるかを確認をしましょう。
償還請求権とは、ファクタリング会社が買い取った債券を回収できなかった場合に、利用者が代わりに支払わなければならない権利のことです。
償還請求権がないメリットはリスクが少ないことです。売掛先企業の支払いが行われなかった場合でもファクタリング会社が全てを負担します。
売掛先が絶対に倒産しないとは限らないので、償還請求権がない会社に依頼するのがおすすめです。
現金を後から払うリスクがなくなります。
入金スピードが早い
申し込みから資金調達までが早いファクタリング会社を選びましょう。
3社間ファクタリングは工数が多いので時間がかかりますが、2社間ファクタリングでは最短で数時間で現金化ができる会社もあります。
サービスの入金スピードについて詳しく知りたい方は、ファクタリングの口コミサイトで利用者の体験談を確認するのがお勧めです。
ホームページに掲載している入金スピードとは実態が異なるものも存在するので注意しましょう。
買取可能額が自社のニーズとあっているか
ファクタリング会社を選ぶときは、買取金額の上限と下限を確認することが大切です。
個人事業主であれば少額の売掛金に対応しているファクタリング会社を選び、反対に売掛金額大きいものを売却したい場合には買取額上限の大きいサービスを選ぶと良いでしょう。
【実績と評判から厳選】売掛金買取のおすすめサービス4選
実績と評判のあるファクタリング会社を、「個人事業主向け」「法人向け」に2社づつ厳選してご紹介します。
売掛金買取に興味ある方は、一度相談してみることをおすすめします。
個人事業主向け2選
ペイトナーファクタリング
ペイトナーファクタリングはフリーランス、個人事業主向けのファクタリングサービスです。
ペイトナーファクタリングは以下のモットーを会社としてあげています。
「フリーランスの人々の資金繰りに悩む時間を、付加価値を作り出す時間に変えられるサービスの一つになること」
そのためフリーランスや個人事業主の悩み寄り添った特徴を持つサービスとなっています。
最大の魅力は「申し込みから最短10分で入金ができる」点でしょう。
オンラインでAIによる審査を行っており全国どこからでも利用可能となっているため、早急に資金が必要なフリーランスにおすすめのサービスとなっています。
また1万円からの小口債権にも対応しているところも嬉しいポイントです。
手数料が10%一律で必要書類が2つのみとなっており、サービス利用者が迷うことなく使えるスピード重視のファクタリングサービスとなっています。
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QuQumo
QuQumoは株式会社アクティブサポートが運営しているサービスです。
QuQumoの特徴として、「入金まで最短2時間以内で完結できる上に、取引額に下限がなく数億円まで取引できるところ」が挙げられます。
売掛金さえあれば法人、個人法人問わず取引ができます。
面倒な書類を準備する必要もなく、通帳と請求書のみ準備すれば審査が行えます。
手数料は取引金額に応じて異なりますが、最低で1%〜の手数料率になっており、業界トップクラスでコストを抑えられます。
個人事業主向けおすすめサービスの概要比較
サービス名 | サービス概要 |
ペイトナーファクタリング | ペイトナー株式会社が運営しているファクタリングサービス。2社間ファクタリングで売掛先には通知がいかない。手数料は一律10%で最短10分で入金可能。初回最大利用料は1万〜25万円。償還請求権なし。取引はオンラインにて完結。 |
QuQumo | アクティブサポートが運営しているファクタリングサービス。ペイトナーと同様2社間ファクタリング。手数料は1%〜14.8%。買取可能額は上限なしで最速2時間でオンラインにて取引可能。 |
法人向け2選
アクセルファクター
アクセルファクターは年間に3,000件以上の取引を行っており、買取額290億円と実績のある老舗ファクタリング企業です。
実績とノウハウを持ち合わせた担当者が専属でサポートしており、利用者の状況に合わせた柔軟な審査を行なっております。
そのため審査通過率が93%と通常のファクタリングサービスよりも高い特徴があります。
建設業などの支払いサイトが遅い業態に対応するために、最大180日期日の売掛債権に対応しています。
買取可能額は下限30万〜上限1億円と幅広く対応することができ、売掛債権額で手数料が異なります。手数料は下記の通りです。
売掛債権額 | ファクタリング手数料 |
〜100万円 | 10%〜 |
101〜500万円 | 5%〜 |
501〜1000万円 | 2%〜 |
1001万円以上 | 別途相談 |
ビートレーディング
ビートレーディングは2012年に創設されたファクタリング企業です・
過去の取扱件数は5.8万件以上、累計1300億円以上と業界トップクラスの実績を誇っています。
ビートレーディングのファクタリングは最短で12時間で入金可能です。
買取可能債権額は上限下限ともになしで小口〜大口の債権まで柔軟な対応が可能です。
実際の利用実績として10万円〜7億円の取引を行なっています。
法人向けサービスの概要
サービス名 | サービス概要 |
アクセルファクター | 年間に3,000件、買取債権額900億円の実績あり。2社間ファクタリング、3社間ファクタリングどちらも対応可能。手数料は2%〜と業界の中では低め。最大利用額は30万〜1億円と幅広く対応可能。専属の担当者が徹底サポート。 |
ビートレーディング | 業績が右肩上がりで累計900億円以上取扱していて、信頼のおけるファクタリング会社。3社間取引ができるのは法人のみ。10万円〜7億円の取引実績があるので、小口にも大口にも対応している。専任の担当者が付き、審査では相談ができる。初回契約時のみ、来店が必要になるため、注意が必要。 |